[芸術活動支援のためのプログラム]10/2(火)技術研修レポート

アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)が開催する、障害者のある人への芸術活動支援に関する研修プログラムも7年目となります。
今年度の第1回目となる技術研修を、10月2日(火)にボーダレス・アートミュージアムNO-MAと奥村家住宅で行い、11名の方が参加されました。

◇技術研修
「表現の“バイブス”をまんま“場”にー愛のある展示空間を目指して」
日時:10月2日(火)18:00~20:30
場所:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、奥村家住宅
講師:横井悠(NO-MA学芸員)

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この研修では、現在NO-MAと奥村家住宅で開催中の「以“身”伝心 からだからはじめてみる」展の会場で、横井学芸員が講師となり、講義やワークショップ、対話による鑑賞プログラムを行いました。参加者は、作品が持つ魅力や個々の作品に合わせた展示方法を考え、最後は、実際に作品展示を体験しました。

研修では、展示を成立させる条件として、
①「場」 ②「作品」 ③「人」 をテーマに据え、
愛のある展示空間の実現について考えていきました。

①「場」の特徴を把握する

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まず、展示の土台となる「場」について考えました。NO-MA1Fは「洗練されているイメージ」「都会的」等といった言葉が出ているのに対し、2Fでは「お家みたい」「落ち着く」などといった言葉が多く出るなど、それぞれの「場」によって異なる個性があることが分かりました。

②「作品」を知る

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次に、出展者の草彅陵太さんの作品から感じるイメージ、作品から分かる事実、その2つに分けて気付いたこと、感じたことを自由に話していきました。他の方の話を聞いたり、考えを深めるにつれて、共通して抱くイメージや、最初の印象とは異なる作品の魅力に気付いていく場面もありました。「愛のある展示をするには作品の中にある特徴や魅力を観る力を養うことが大事」のキーワードも飛び出し、その作品のどんな魅力をひき出したいのか、観る方にどのように見せたいのか、ということを参加者と考えていきました。

「場」が持つ個性、「作品」が持つ魅力、それぞれの気づきを知った上で、展覧会のもう一つの会場である奥村家住宅へ移動し、展示を観ました。そこでは、出展者の鎌田紀子さんの「作品」がどのように「場」を意識して展示されているのかについて、考えをさらに深めていきました。

③観る「人」の特徴を把握する

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「作品」が「場」にどう展示されるのか、を考えた後には、それを観る「人」の対象に合わせた展示技術についてのレクチャーがありました。
観る「人」を意識することで、作品の配置やライティングが変わっていくこと、また、作品をより「人」に伝えるための素材として、作品を説明するキャプションや写真を使用した図解を作成する場合があることなど、観る「人」を考えることで、展示方法も大きく変わっていくことを学びました。

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レクチャーの後は、作品を使っての展示体験を行い、グループごとに展示物と展示場所、そして作品を観る人、それぞれ別のお題で考えました。 例えば、「森田寅」さんの作品を「NO-MA1F」の場所を用いて、「大人」を対象に展示するなど。 出来上がった後は、グループごとの展示コンセプトの発表があり、研修は終了しました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
次回のアイサ研修プログラムは、
11/8(木)の活動体験「小暮宣雄さんと巡るワークショップツアー@京都市ふしみ学園」です。
(※定員に達したため、受付は終了しました)

他にも多様なプログラムを予定していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
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