研修会レポート「アート商品の開発や作品売買について」

今年度最後の研修会を1月25日(金)に草津で開催しました。
内容は、障害のある作者のアート作品の二次利用に関する権利保護研修会です。
近年、障害のある作者のアート作品をグッズにしたり、ウェブサイトで紹介したり、作品の販売をしたりすることが増えてきています。
この研修では、既にそのような取り組みをされている方だけでなく、これからグッズを作ってみたい・販売したいという方など24名の方々に参加していただきました。

前半は既にアート商品の開発や販売に取り組んでいる団体の実践報告をしていただきました。
今回は、兵庫県のライフスペース・プロペラ戒(えびす)laboratoryの山﨑慎也さん、奈良県のGoodJob!センター香芝の森下静香さんに発表いただきました。

地域の工芸品、職人とのコラボレーションでアート商品を制作してきたライフスペース・プロペラでは、元アパレル関係の仕事をされていた山﨑さんが質のいい商品をつくるために考えていることを丁寧にお話しいただきました。事業所の職員は文化休を取れることになっていて、その交通費や参加費は事業所が負担しているという取り組みもされており、そのことが職員全体の意識を高めることにつながっているそうです。

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GoodJob!センターは、一般財団法人たんぽぽの家からグッズ制作部門の拠点として開設されて3年が過ぎ、独自製品では大手企業とのコラボレーションをし、全国のグッズも取り扱うなど、国内有数の施設です。森下さんからは、センター開設の背景に始まり、3Dプリンターやレーザーカッターなどの技術をつかった最新のグッズ制作方法も紹介いただきました。

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グッズ制作をするにあたって、利用者と施設でどのように契約をしているかについても実際の書面を配布してそれぞれ説明いただきました。

お二人の発表の後、「グッズ制作ってどうやってしていけばいいのだろう」と思われる方も多くいらっしゃるだろうということで、グッズ制作グループワークを行いました。
時間の関係で20分程度となりましたが、手軽にとりかかれる方法として、オンライン発注できるグッズ制作サイトの紹介、作品カードをつかってどのようなグッズをつくるか考えてもらうワークを行いました。

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「この作品の良さを引き出すには、こんなグッズにするのが合いそう」「ただプリントするだけでなく、こんなデザインを加えたら売れるグッズになりそう」というイメージを膨らませてもらった後、北大津きぼう法律事務所の平塚崇さんから、グッズ制作に関する著作権や所有権の基礎講義をしていただきました。

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最後に、参加者全体で質疑応答や意見交換の時間をもち、直接、講師の皆さんから答えていただきました。

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参加者のアンケートには
「作品の作り出し方。意識をしていない中で、作品の作りかえ(ちょっとしたレイアウト、デザイン)などをしてしまっているところもあり、勉強になりました。」
「講師の方々が出し惜しみなくいろいろな情報、意見を話してくださったので、とても興味深く、ありがたかった。」
「内容が濃いので、半日でも短いと思いました。」
「商品開発や販売など多岐にわたって参考になることばかりでした。知らなかった単品発注などが可能だと分かったので、試験的にも行なっていきたいです。」
などたくさんの声をいただきました。

グッズ制作や販売への関心がすごく高いことが分かり、今後も継続して取り組んでいきたい研修テーマでした。
参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました。