舞台芸術団体の訪問調査レポート➆【ひよっこだんすくらぶ】

アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)では、音楽や演劇、ダンス等の舞台芸術分野で活動する団体の活動の場を訪問し、活動に関する情報やニーズを把握する調査を実施しています。ここでは、訪問調査を行った団体の活動の様子をご紹介します。

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とにかく楽しい!個性あふれるダンスが魅力の【ひよっこだんすくらぶ】

色とりどりのTシャツを着たメンバーが、夕方の練習会場に集まってきます。準備運動からゆっくりと始まり、身体も心も準備が整うと、曲に合わせていよいよダンスレッスンのスタートです。

メンバーは現在17名。設立から15年が経ち、メンバーは毎週末に顔を合わせているため「とっても仲良しです」と皆さんは話されます。前に立つ先生の動きを見ながら踊ったり、自分でアレンジを加えて決めポーズをとったりと、個性あふれるダンスチームなのですが、全体としては一体感が感じられるのはこの仲間意識のおかげでしょう。なんせ、メンバーの表情が明るいのです。

でも、明るいのはメンバーだけではありません。長年指導してこられた辻先生は、地域でダンスの指導をされています。メンバーの多様な動きを受け入れながら、はつらつとしたかけ声でレッスンを進めていかれますが、“ひょっこ”に関わった当初は障害のある人との活動経験はなく、しばらくは悩んだとのこと。「でも、子どもらの様子を見て、自分も楽しめばいいんだと思うようになった」辻先生。今では、一週間の締めくくりの“ひよっこ”で、大いにエネルギーをもらって楽しんでいるそうです。

一方、ほとんどのお母さん方は、会場の後方で熱心に情報交換中!子どもたちだけでなく、親御さんにとっても大事なつながりの場であることがわかります。辻先生への信頼度は厚く、「先生、長生きしてや~」と大笑い。お母さん方の表情も明るく、パワフルなのです。

おっと、“子どもたち”と書きましたが、10代後半から30代になったメンバーは、既に“ひよっこ”から大きく成長しています。

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「これがぼくの好きなことだ」「ダンスするわたしを見てほしい」…誇りをもって活動に参加する姿からは、彼ら彼女らの心の成長が感じられます。 10周年の時は、県内のダンスグループ4団体総勢約100名が一堂に会し、踊りまくったそうです。次なる企画、これからの展開がますます楽しみになります。

ひよっこだんすくらぶ

活動場所:近江八幡市市民共生センター はつらつ館

活動日:月4回 毎週金曜日17:30~18:30

参加には「ひよこの会」(ダウン症の会)所属が必要

問合せ先:浅田077-588-1649