舞台芸術団体の訪問調査レポート⑩【劇団ふりいだむ】

アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)では、音楽や演劇、ダンス等の舞台芸術分野で活動する団体の活動の場を訪問し、活動に関する情報やニーズを把握する調査を実施しています。ここでは、訪問調査を行った団体の活動の様子をご紹介します。

悲劇でもハッピーエンドに変身⁈【劇団ふりいだむ】

日曜日のお昼前。水口社会福祉センターのホールに、三々五々、劇団員が集まってきます。訪問した日は今年度初の活動日で、活動内容を話し合う大事なミーティングが行われました。 「今年も活動するかー?」と、劇団世話役の大槻さんがメンバーの皆さんに質問されます。集まって来られている時点で皆さんすでにやる気満々の様子ではあるのですが、「コロナ怖いしー」という意見もあり、感染症の影響の大きさに改めて気づかされます。

それでも今年も活動するという意見でまとまり、今度は「何がしたい?どんな役がしたい?」との質問。すると、 「さるかに合戦は?」「白雪姫!」「かさじぞうは?」 「それ、やったやん」 「えー、やったか?」 「やってないんじゃない?」 「眠れる森の美女は?」 「ぼくは女役がいい!」(と男性メンバー) 「私、ナレーターがいい!」「ぼくもナレーターがいいです」 「洋もの?和ものがいいかな?」などなど…。 口々に好きなことを言っているのと思えばまとまりそうになり、まとまりそうになれば新たな意見が出て振り出しに戻ったり。

Photo_9

でも「今まで喧嘩になったことはないんです」とスタッフの方は話されます。今年で活動12年目、メンバーがお互いのことをよく知り、安心できる場だからできるこの話し合いの様子こそを劇にしたい!と感じるほど、楽しいやりとりが1時間あまり続きました。

今年は、劇団ふりいだむ初の悲劇「ロミオとジュリエット」に挑戦することに決まりました。でも、大槻さんが書かれる脚本には、「ハッピーエンドがいいな」「バカ殿やりたいな」というメンバーの意見を取り入れるとのことで、秋ごろに形になってくる元気がでる悲劇公演「ロミオとジュリエット」への期待がふくらみます。

劇団ふりいだむ(代表:大槻敏明)

活動場所:水口社会福祉センター

活動日:月4回 日曜日午前中

連絡先:090-1670-9561(大槻)