舞台芸術団体の訪問調査レポート⑪【和太鼓TAO】

アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)では、音楽や演劇、ダンス等の舞台芸術分野で活動する団体の活動の場を訪問し、活動に関する情報やニーズを把握する調査を実施しています。ここでは、訪問調査を行った団体の活動の様子をご紹介します。

力強い演奏は基礎打ちの積み重ね!来年30周年を迎える【和太鼓TAO】

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「和太鼓 TAO」のルーツは、まだ栗東が市になる以前。主宰者である中川仁太郎さんの当時の友人の町会議員の依頼で、障害のある子供達を対象にした和太鼓の体験教室が行われたのが1991年の春。子供達の興奮振りを感じた保護者からの要望により、即、週一回の定期的な教室を開催(当時7名)することになりました。1年後にはオリジナル曲も仕上がり、チーム名も「和太鼓 TAO」と命名してファーストコンサートを開催。その反響により徐々に近隣の市町村(遠くは京都市の岩倉あたり)からのメンバーも加わり、多少はメンバーの入れ替わりもありながら現在に至っています。

設立以来、TAOを率いている「雷太鼓の仁太郎さん」と言えば、滋賀の和太鼓界では超有名な存在。厳しい指導に、泣く子は大泣き、笑い顔はひきつる!そんな「雷師匠」のおられる道場を恐る恐るのぞいてみると…あれあれ?練習の雰囲気は明るくて、和太鼓上達のために太鼓に向かう熱気に満ち溢れています。熱心な基礎打ちの後、次々と披露される演目はどれも力強く、目を見張るほどの出来栄えです。いつ公演依頼があっても準備万全ですが、毎年1回実施してきた定期演奏会は2012年の20周年以来実施していないとのこと。あぁ、もったいない!

Photo_2 しかしこの日、練習終了間近になって、仁太郎さんから重大発表がありました。 「30周年の来年は、コンサートやります!」 「そのために、新しい曲の練習も始めます!」 驚く間もなく、早速始まった新曲のリズムを一生懸命に覚えようと、メンバー一同の眼差しはど真剣そのものです。

Photo_5 TAOのメンバーは、師匠の厳しい指導の底に流れる深い愛情を感じているのだと感じます。汗だくで道場を後にするメンバーの後ろ姿が、次の大きな舞台への意気込みの大きさを物語っていました。

初めてのコンサートの時は、「障害者がコンサートをする」とテレビ等で騒がれたそうですが、10年、20年、そして30年と続いていることが本当の意味で素晴らしいことと仁太郎さんはおっしゃいます。長年にわたるこのような取り組みは、滋賀の大きな財産だと言えるのではないでしょうか。

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和太鼓TAO(代表:中川仁太郎)

活動場所:和太鼓集団雷太鼓練習道場(栗東市荒張字大岩谷191)

活動日:月4回 毎週金曜日18:30~19:30

問合せ先:09036130969(中川)