舞台芸術団体の訪問調査レポート⑫【なんくるないさ~ず】

2021舞台芸術活動に関する訪問調査レポート アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)では、音楽や演劇、ダンス等の舞台芸術分野で活動する団体の活動の場を訪問し、活動に関する情報やニーズを把握する調査を実施しています。ここでは、訪問調査を行った団体の活動の様子をご紹介します。

今、できることを心から楽しむ【なんくるないさ~ず】

「ぼ~く、ぼくはそばにいる~」 金曜の夜、守山の「みみの里」の中から、今日もぼくをテーマにした歌が聞こえてくるよ。 ぼくの歌を歌っているのは、「なんくるないさ~ず」。音楽好きが集まり、多い時は10人を超える仲間で歌ったり踊ったりして週末の夜を楽しんでいる手話バンドのメンバーだ。 楽器はギター、キーボード、トランペット。アコーディオンやベースギターが入ることもあるんだよ。メンバーみんなで作詞や作曲も手掛け始めて、オリジナル曲は今4曲目!

Photo さっき聞こえてきた新曲、「ポッキーとけいちゃん」もその中の一つ。三拍子と四拍子が曲の途中で入れ替わる難しい曲だけど、いつ出演依頼が来ても発表できるよう、今みんなで練習中だよ。毎年秋にある「手話ふれあいフェスティバル」、心配していたけれど、今年は開催が決定!なんくるの出演も決まったんだよ!会場は草津の「聴覚障害者センター」だよ。

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“なんくる”リーダーのもっつぁんは、「形にこだわらず、今できることを楽しむのがなんくるないさ~ずだ」って言うよ。もっつぁんは音楽の経験はなかったんだけど、「何か夢中になれる趣味がほしい!」って思って、いきなりギターを買ったそうだよ。今は、バンドのリーダーとして、みんなの意見をまとめてくれているんだ。

Photo_7 おっと、申し遅れました。ぼくは、聴導犬のポッキーです。 “なんくる”のメンバーの一人、けいちゃんと一緒に暮らしているよ。けいちゃんは、自分を表現できる音楽がすごく楽しいんだって。新しい曲を覚えるときは、メンバーの口の形を何回も見て覚え、すごくがんばってるんだ。ぼく知ってるよ。

もっつぁん、けいちゃん、そしてメンバーみんなにとっても、“なんくる”は、自由であたたかで、とっても心地よい場所だ。 そんな「なんくるないさ~ず」がスタートして、10年が経つ…のかな?あれ、まだ9年? 誰か覚えてないの?みんな、しっかりしてよ~。でも、「まぁ、10年ということにしておこうよ~」と笑い合う“なんくる”の雰囲気が、ぼくは好きなんだけどね。

なんくるないさ~ず

活動場所:びわこみみの里(滋賀県守山市水保町165-1)

活動日:毎週金曜日19:00頃~ 現在は月2回活動中