【レポート】アイサ大学 舞台芸術コース 第3回 舞台制作を学ぶ

2021年10月27日に、「アイサ大学 芸術支援のためのプログラム」舞台芸術コース、第3回目の研修を開催しました。舞台公演をつくる(主催者になる)際に必要な「制作」のあれこれについて学びました。会場はひこね市文化プラザです。

 

前半は「舞台公演の作り方」を舞台監督の西田光賜さんによる講義を通して学びます。西田さんは、長年、障害のある人も出演する舞台公演に舞台監督として携わっておられます。

舞台公演をつくる際に大切なのは「観客の気持ちを考える」こと。小さな発表会や、身近な人だけに見せる公演だったとしても、「見せること」を第一に考えて楽しんで帰ってもらえる舞台をつくって欲しいと西田さんは言います。

受講生のみなさんが、ひこね市文化プラザのような市民会館・文化会館で公演をつくる場合を想定し、必要な手続きや人員配置などのポイントを紹介。公演で実現したいことを会場の担当者とどう共有するのか、チラシなどの広報活動の重要性についても触れました。

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講義の中で研修室からエコーホールに移動し、バックステージツアーを開催しました。ひこね市文化プラザの技術スタッフ・清水さんの解説を聞きながら、舞台や舞台装置、音響照明調整室などを見学しました。調整室に続く狭くて急な階段に、受講生からは驚きの声があがり、観客には見えないところで活躍する技術スタッフの仕事を想像する機会になったようです。

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休憩を挟んで、障害のある人が参加する舞台制作についての事例報告を行いました。滋賀県立文化産業交流館の白崎清史さんをお招きし、西田さんとともにそれぞれの取組を紹介いただきました。西田さんは、障害のある人が舞台に立つ・観客として訪れる、両方の場面でバリアフリー対応をした事例を紹介。白崎さんは、「リラックスパフォーマンス」という、誰もが楽しめるバレエ公演の事例を中心に報告くださいました。

聴覚過敏のある息子さんがおられる受講生は、「多くの施設がどのようなバリアフリー対応がなされているかを積極的に公開することで、安心して楽しむ機会が増えるのでは」と、自身の体験から思いを語ってくださいました。

 

舞台芸術コースもいよいよ次回が最後の研修です。表現を発表する際に知っておきたい「権利」について学びます。

 

滋賀県立文化産業交流会館 https://www.s-bunsan.jp/
リラックスパフォーマンス(スターダンサーズ・バレエ団) https://www.sdballet.com/rp/