2022.07.13
アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)では、障害のある人の芸術活動を地域で展開・継続している団体の活動の場を訪問し、活動の実態やニーズを把握する調査を実施しています。ここでは、訪問調査を行った団体の活動の様子をご紹介します。
活動を始めて4年目。毎月1回開催される「Borderless Dance」レッスン会場に、ダンス好きのメンバーが集まってきます。 “Borderless”の名の通り、ここは固定したメンバーの活動の場ではなく、「ダンスを習ってみたい」という人なら誰でも参加OK。これまで、就学前のお子さんや高齢の方も参加されたことがあり、1回ずつの参加も受け付けておられます。見学させていただいた日も、「今日が初めて」という中学生の方が、遠方からお母さんと参加されていました。
今日の先生は、ダンスインストラクターのWARABEさん。と言うのも、「Borderless Dance」では複数のダンスインストラクターと日程を調整されながらレッスンを続けておられ、月毎にインストラクターが替わることもあります。「今日は久々のレッスンです」とおっしゃるWARABEさんの指導日に訪問させていただきました。
ところが。いえいえ。
どなたがインストラクターであっても、ダンス好きの参加者の皆さんは全く動じることはありません。ストレッチから始まり、練習されている曲に合わせて動きを確認する場面でも、WARABEさんの声かけと鏡越しに映る姿に集中し、みんなが食いついていきます。ステップや細かな手の動かし方まで何度も繰り返しながら練習し、1時間のレッスンが終わる頃にはもちろんみんながいい汗をかいています。
「Borderless Dance」を主宰しておられる舩田さんは、会場やインストラクターなど様々な調整をされながら、誰もが参加できるこの場を継続しておられます。その調整には大変なことも多いかと思いますが、「プロから習うことを大事にしたい」とおっしゃいます。自らもピラティスのインストラクターであり立ち姿勢も抜群で、活動に対する強い思いを感じる舩田さんです。それと同時に、人を包み込むような優しい笑顔が、安心して参加できるというこの場の雰囲気を作っているのだと感じました。
レッスンの最後に、舩田さんのお子さんで、アシスタント的な役割をされているさくらさんが、WARABEさんとともに今日の動きを通して踊ってくれました。初めての動きでも一度で覚え、先生さえも誘導するくらいの完璧ぶり。さくらさんは、みんなの憧れの存在でもあります。
ダンスが好き。私も一度踊ってみたい。そんな方々の参加を大歓迎されています。 活動が継続していくことを心から応援したいと思います。