障害のある方の芸術活動の訪問調査レポート⑮【社会福祉法人にぎやか会 にぎやか塾】

アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター(アイサ)では、障害のある人の芸術活動を地域で展開・継続している団体の活動の場を訪問し、活動の実態やニーズを把握する調査を実施しています。ここでは、訪問調査を行った団体の活動の様子をご紹介します。


一人一人が自分らしく、楽しく過ごせる時間を【にぎやか塾】

 草津市の、木々に囲まれ緑溢れる場所に建つにぎやか塾。一歩中に入ると、名前の通り、のびのびとしたにぎやかな声が響きます。

 にぎやか塾では、生活介護事業と就労継続支援事業合わせて40名程の方が利用され、作業やレクリエーション、創作活動などに取り組んでいます。

 訪問したその日は、月に1度の音楽活動の日。講師2人のピアノ伴奏と歌声に合わせて、みんなの歌声が響き始め、手拍子も交じり、何とも楽し気な雰囲気で活動が始まります。
 歌う曲は聴きなれたポップスや童謡。音楽療法士の講師の声かけで、歌に合わせてタオルを持った体を動かし、みなさんとてもリラックスした様子です。「誰か歌いたい人!」の呼びかけには「はい!はい!」とみんなの前でマイクを持って歌う人もあり、その歌声に合わせてまたみんなで一緒に歌い、1時間たっぷりと音楽を満喫する時間となりました。約8年前、利用者が楽しい時間を過ごせたらと始まった音楽活動ですが、ここ2年ほどは新型コロナの影響で活動を停止せざるを得ず、最近になって再開したそうです。活動できなかった期間もあったためか、一人一人が全身で音楽を楽しまれる様子に、この時間を大切に継続されていることを感じました。

 にぎやか塾では、他にも芸術活動として陶芸教室を行っておられます。作業室には陶芸窯があり、これから焼く作品やユニークな完成品がぎっしりと並んでいました。
 その他にも、創作活動で制作された作品の発表の場と、地域の人たちとの交流の機会として、20年以上に渡って作品展を開催したり、法人の別事業所では絵画教室を開催したりされています。それぞれの活動で、専門の講師の方との出会いがあり、充実した活動を展開されている様子が伺えました。

 にぎやかに響く声を聞きながら、様々な芸術活動を通して、一人一人がその人らしくいきいきと過ごせる時間を大切にされていることを強く感じた訪問となりました。 


社会福祉法人にぎやか会 にぎやか塾
滋賀県草津市山寺町1215-3
開所時間:月曜日〜金曜日 10:00〜16:00
第2・4土曜日 10:00〜15:30
電話:077-567-2920
ホームページ:http://www.nigiyaka-kai.jp/business/nigiyaka-juku.html