【レポート】令和5年度 芸術文化活動支援プログラム「障害特性と鑑賞サポートについて学ぶ」

 今年度アイサでは、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAボランティアスタッフ等を対象とした芸術文化活動支援プログラム「障害特性と鑑賞サポートについて学ぶ」を10月10日に実施しました。

 今回の研修では、様々な障害の特性について学び、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAにおける鑑賞サポートの取組みを体験しました。会場は、NO-MA企画展 触の祭典「ユニバーサル・ミュージアム さわる!めぐる物語」の会場の一つ、まちや俱楽部です。

 まず初めに、グロー福祉事業部長大平さんより、障害のある人への配慮や応対の基本について、また障害の特性に合ったコミュニケーションの取り方などについて学びました。

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 配慮や応対の基本とは、相手の「人格」を尊重し相手の立場に立って応対すること、困っている方には進んで声をかけるなど、障害の有無に関わらず誰に対しても大切な基本姿勢です。また、様々な障害の特性によって、筆談を使う、抽象的な表現を使わない、体の不調が出た方には休める場所を案内する、など展覧会場に来場された場面を想定しながら具体的な例について学びました。

 次に、グロー地域共生部の山邊さんと石田さんより、NO-MAにおける鑑賞サポートの取組みについて学びました。

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 NO-MAの取組みには、来館にあたっての事前の質問や相談への対応、点訳や多言語リーフレット、「やさしいことばで読む」など様々な方法による言語情報の提供、エレベーターや多機能トイレなどのバリアフリー対応があります。また、見る以外の鑑賞方法の提案として、立体コピー技術を用いた触図や音声ガイドの制作に取り組んでいます。

 最後は、過去の展覧会で制作された触図や、展覧会場に設置されている鑑賞サポートツールに実際に触れて体験しました。実際の作品画像と触図を見比べて制作の工夫を感じたり、「やさしいことばのキャプションが読みやすい」など参加者同士で自由に感想を話しながら会場を巡りました。

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 参加者からは「障害のある方への対応など、不安もありましたが、最初の説明が具体的でとても分かりやすく、今後の不安がとても少なくなった」「作品を観賞しやすくされる取組みに改めて感動を覚えました。」、「感想を述べあうことで、共感や新たな発見や気付きがあった」という声が聞かれました。