【レポート】アイサ大学 美術コース 作品展示研修(湖東エリア)「作品の魅力を伝える展示とは」(前編)

「アイサ大学」では芸術活動支援のためのプログラムを舞台芸術・美術の2つのコースで実施しています。今回は、美術コースの作品展示研修を開催しました。作品展示の経験はあるけれど自己流なので学びたい、家族の作品を多くの人に見てもらいたい、自分の作品をどう展示すればいいか考えたいなど、経験も目的も異なる7組8名が参加されました。前編では講義の様子をお伝えします。

 

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まずは、展示の基礎について「作品の魅力を伝える展示とは」をテーマに講義を行いました。講師はNO-MA学芸員の横井悠と、空間デザイナーの安川雄基さんです。安川さんには、研修の後半で登場する展示台のデザインと制作を担当していただきました。

そもそも「展示」とはどういうことか。目の前にある作品をただ置いておくのとはどう違うのかを改めて考えてみるところからスタートです。展示を「目に見えるものを使って目に見えないものを伝えること」と捉え、「"見えるもの"についてつきつめて考えること」を研修の目標に設定しました。

 

作品の魅力を伝えるために、「鑑賞者」に注目し、目の高さや安全な動線などについて考えました。過去の展示例を紹介しながら、展示方法の違いによって与える印象がどう変化するのかを解説。作者紹介文の書き方についても、具体例をあげて紹介しました。

NO-MAの企画展など障害のある人の作品を多く扱ってきた横井からは、障害のある人の作品展示をつくる際の考え方や注意点ついて説明がありました。また、安川さんは自身の経験から、「作品のストーリーを知ること、細かい部分まで見て欲しいのか全体を見せたいのかなど、"作品のための展示"になるように深く考えることが大切だ」と語ってくれました。

 

 

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講義に続いて、皆さんが持ち寄ってくださった作品を鑑賞しました。講義会場の机に7組の作品を並べて、制作方法の解説や作品の魅力、どのように展示したいかなどを発表してもらいました。作品から受け取った印象や、疑問などの意見を互いに出し合い、午後の展示作業に向けてイメージを膨らませました。

 

後編に続く。